心原性肺水腫

代表的な症状

・呼吸困難
・呼吸回数の増加
・チアノーゼ
・咳
・寝れない
・喀血(咳とともに肺や気管などの気道から血液を含む分泌液が出ること)

心原性肺水腫とは

・多くの場合、犬では僧帽弁閉鎖不全症、猫では肥大型心筋症です。その他、拡張型心筋症や動脈管開存症などにより起こる場合もあります。

・早急な治療が必要な病気です。少し様子を見ているだけで手遅れになることもあります。
・治療を行っても心臓の状態によっては、急速に呼吸状態が悪化し、亡くなってしまう事があります。

・肺水腫治療後も、原因となった心疾患の治療は継続して必要です。投薬治療を行っても、肺水腫が再発する場合があります。
・肺水腫を発症する前に、咳、疲れやすい、聴診にて心雑音の聴取などの心疾患の症状が出ている場合があります。これらの症状を見つけたら、早期に一度、受診して下さい。

検査

 超音波検査、X線検査、血液検査、心電図検査等を行います。呼吸状態が悪い場合には、検査と並行して治療を開始する場合があります。

治療

 酸素投与、利尿剤、血管拡張薬、強心剤等を注射にて投与します。酸素室(ICU)にて、2~3日の入院が必要になる場合が多いです。

尿道閉塞(尿道結石)

代表的な症状

・尿が出ない
・元気、食欲の低下

閉塞からの時間が長い場合

・嘔吐
・意識レベルの低下
・虚脱

尿道閉塞とは

・シュウ酸カルシウム、ストルバイト結石などの膀胱結石が、尿道内に流れ、閉塞を起こします。また、猫では結晶や膀胱炎による出血、膀胱粘膜が剥がれたものなどによる塞栓物が閉塞を起こす場合もあります。尿道が雌と比べて長く、細い、雄猫と雄犬での起こることが多いです。

・尿道閉塞の解除処置を行っても、再発することがあります。処置後、しばらくの間は排尿状況に十分注意してください。排尿が不明であれば、念のため来院してください。

・結石、膀胱炎の再発を予防するために、食事の変更、サプリメント、ウエットフードの給与、飲水量を増やす工夫等をお勧めしています。結石の予防には、尿の濃さを薄くする必要があります。

・画像検査で結石が認められる場合や、尿道閉塞を繰り返す場合には、外科手術が必要になります。

検査

 超音波検査、血液検査、X線検査、尿検査を行います。意識レベルの低下、虚脱など状態が悪い場合には、検査を行う前に尿道の詰まりを取る処置を行う場合があります。

治療

 陰茎の先からカテーテルを挿入し、尿道内の閉塞物を除去します。閉塞物が結石の場合は、陰茎の先からカテーテルを挿入し、尿道内の閉塞物を除去します。閉塞物が結石の場合は、結石を一旦膀胱内に戻し、その後、膀胱の中から結石を取り除きます。どうしても、尿道内の結石を戻せない場合は、尿道を切開する外科手術を行う場合もあります。

 尿道の詰まりが重度の場合や、血液検査で腎臓の値に異常が認められる場合には、3日前後の入院にて治療を行います。

 尿道内にカテーテルを入れる処置は、当院では基本的に吸入麻酔または注射薬での麻酔下で行います。麻酔下で行う理由は、犬、猫に不要なストレス、恐怖を与えないためです。また、犬、猫が嫌がることによりカテーテル挿入に時間がかかり、尿道を傷つけてしまうリスクを減らすためでもあります。尿道を傷つけてしまうと再閉塞のリスクが高まります。

糖尿病性ケトアシドーシス

代表的な症状

・元気がない
・食欲がない
・体重が減る
・水を飲む量が多い
・尿の量が多い
・嘔吐
・下痢
・脱水
・昏睡

糖尿病性ケトアシドーシスとは

・糖尿病により、インスリンが不足した状態で脂肪の分解が多くなると、最後に「ケトン体」という物質が作られます。このケトン体が著しく多くなると、血液が酸性に傾き、「ケトアシド-シス」と呼ばれる状態になります。

・犬よりも猫で重篤なことが多いです。治療の開始が早ければ救命できますが、経過が長い場合は、治療を行っても亡くなってしまう場合があります。

・ケトアシドーシスという状態になる前に、よく食べているが体重が減る、尿の量が多い、水を飲む量が多い、といった糖尿病の症状が現れます。このような症状が見られたら早期に受診して下さい。

検査

 血液検査、尿検査を行い高血糖、ケトン体などの測定ならびに全身的な検査を行います。その他、X線検査、超音波検査等を行い、他の病気が無いか確認します。

治療

 点滴よる脱水の治療、注射によるインスリンの投与を行います。自力でご飯を食べられない場合は、鼻からカテーテルを入れて給餌をすることがあります。

けいれん発作重責

発作重責とは

・発作重責とは、5分間以上続く全身性痙攣発作、あるいは複数回の痙攣発作が断続的に発生してその間に意識の回復が認められない場合、と定義されています。

・発作重責を起こす主な原因は、頭の中の病気(てんかん、脳炎、脳腫瘍、水頭症など)と頭の中以外の病気(低血糖、電解質異常、高アンモニア、低カルシウムなど)に分けられます。

・けいれん発作を見つけた時は、早急に受診して下さい。特に5分以上続いている場合や1日の中で繰り返し起きている場合は、早急に受診して下さい。
・長時間、痙攣発作が続いた状態で様子を見た場合、脳障害や高体温により亡くなることがあります。
・けいれん発作が続いている場合は、来院途中もタオルや毛布で包んだりしないでください。けいれんにより高体温になっている場合、より悪化させる可能性があります。
・原因となる病気によっては、意識が回復せず亡くなることがあります。

検査

 血液検査、超音波検査、X線検査を行います。しかし、頭の中の病気を診断するためには、CT、MRI検査が必要なため、検査を希望される方には、大学病院等の二次診療施設を紹介いたします。

治療

 まずは、痙攣発作を止めるため、また一度止まった痙攣発作を再発させないために、鎮静剤、抗てんかん薬を注射にて投与します。鎮静剤、抗てんかん薬を繰り返し投与しても痙攣発作が止まらない場合は、麻酔薬を使用します。

低血糖

代表的な症状

・元気がない
・震え
・けいれん
・涎が多い
・昏睡

低血糖とは

・様々な原因により引き起こされた低血糖(血糖値の低下)により上記の様な症状が起こることです。

・低血糖では、数分で脳細胞の障害が始まるとされていることから、早急な治療が必要です。
・年齢、治療歴などから低血糖が強く疑われる時は、砂糖水やラムネなどを口の中に入れ、急いで受診して下さい。

原因となる病気

・新生子や幼若な子で授乳や食事の間隔が空いたり、何らかの原因で食欲が低下している場合
・インスリンの過剰(糖尿病治療による過量投与、膵臓の腫瘍による過剰分泌など)
・腫瘍(肝臓腫瘍など)
・副腎皮質機能低下症(アジソン病)
・敗血症
・キシリトールや血糖降下薬の誤食
・肝不全(門脈体循環シャント、肝炎など)

検査

 血液検査にて低血糖の有無を確認します。低血糖が認められた場合は、ホルモン検査、超音波検査、X線検査などを行い原因となる病気を探します。当院で原因が見つからない場合には、大学病院等の二次診療施設を紹介いたします。

治療

 ブドウ糖液の注射または経口投与を行います。可能な場合は併せて、原因となる病気の治療を行います。

異物誤食(催吐処置)

誤食が多いもの

・チョコレート
・ネギ、タマネギ
・ブドウ

・歯磨きシート
・マスク
・ひも
・犬・猫用おもちゃ
・ジョイントマット
・ビニール袋

・タバコ
・人用の薬(バファリン、カロナール、ロキソニン、抗うつ薬など)

検査

 X線検査、超音波検査で胃内容物、異物の有無を確認する場合があります。誤食した物によっては、血液検査を行う場合があります。

治療

 誤食したばかりであれば、吐かせることで食道を傷つける恐れがあるもの以外は、吐かせる処置(催吐処置)を行うことが出来ます。催吐処置は、点眼、静脈注射、筋肉注射(点眼は犬のみ、筋肉注射は猫のみ)のいずれかで行います。

・全ての異物誤食で催吐処置が出来るわけではありません。誤食から時間が経過しており、すでに吸収されてしまっていると思われるとき、催吐処置を行うことで食道等を傷つける恐れがある時(竹串、薬の外装シート、強アルカリまたは酸物質など)などは催吐処置は実施出来ません。

・催吐処置を行っても100%嘔吐を誘発出来るわけではありません。また、嘔吐が誘発されても誤食した物の形状によっては胃から排出されない場合もあります。
・経験的な催吐処置での嘔吐誘発率は以下ぐらいです。
 犬:80~90%
 猫:40~50%

副腎皮質機能低下症

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