Dermatology
皮膚科
食物アレルギー
● 食物アレルギーとは
食物アレルギーとは、特定の食べ物に含まれるアレルゲン(アレルギーの原因物質)に対して、免疫系が過剰に反応することによって皮膚症状や消化器症状が引き起こされます。通常、体に害を与えない食べ物が異物と誤認され、免疫反応が起こります。
ヒトでは主に IgEを介した Ⅰ型アレルギーの関与が言われていますが、犬の食物アレルギーではIgEの関与した I型アレルギーは約30%、リンパ球の関与したⅣ型アレルギーが約80%と言われています。猫でも病態として I型およびⅣ型アレルギ一の関与が疑われているが、これらの関与を証明した科学的根拠は乏しいです。
● 症状
犬の特徴的な症状は、①1歳未満からみられる不特定部位の痒み、② 目口周囲、背中、肛門周囲、会陰部の痒み、③1年を通した症状、④1日3回以上の排便回数などです。初期症状は趾間部・肉球の間の皮膚炎や外耳炎のみであることが多いです。
猫の特徴的な症状はいかなる年齢でも発症する可能性があるが、比較的若齢で好発する傾向があり、症例の約50%が3歳未満で発症したとのがあります。症状は季節性はなく、痔みはとても強く、とくに頭部・頚部に症状が出ることが多く、自己損傷によるびらん、潰瘍、かさぶたが口、眼、耳周囲および頚部に見られることが多いです。
● 検査
食事変更による除去食試験、食物負荷試験を行います。血液検査によるアレルギー検査も可能です。その他、皮膚検査、ウッド灯検査等を行います。
● 治療
食事療法を第一選択にステロイド薬、免疫抑制薬等を症状に合わせて使用します。
犬アトピー性皮膚炎
● 犬アトピー性皮膚炎とは
犬アトピー性皮膚炎とは、花粉やダニのIgE(Ⅰ型アレルギー)が関連した、特徴的な症状と痒みを伴う皮膚炎と定義されています。アレルゲンとしては、花粉やダニなどの環境アレルゲンに限っています。つまり食物アレルゲンは含まれないことに注意が必要です。
● 症状
診断定義に含まれる特徴的な症状とは、腋下、大腿部内側部、四肢の屈曲部における痒みを伴う慢性の皮膚炎です。
● 検査
アレルギー検査にて環境アレルゲン (花粉やダニ、カビ胞子など)に対するIgEの検出を行います。その他、皮膚検査、ウッド灯検査等を行います。
● 治療
ステロイド薬、免疫抑制薬等も使いますが、シャンプー、スキンケア、腸内細菌叢の改善等、総合的な治療を行い可能な限り薬に頼らない治療を目指します。
外耳炎
● 外耳炎とは
外耳炎は鼓膜より外側の耳道に発生する炎症により引き起こされる病気です。原因はアレルギー性疾患と関連していることが多いと考えられています。その他、細菌感染、マラセチアの増殖、寄生虫(ミミヒゼンダニ)、異物などが原因の場合もあります。
● 症状
痒み、外耳道、耳介の発赤、腫れ、肥厚、痛みなどです。
● 検査
外耳道の耳鏡検査、耳垢の細菌、細胞の検査などを行います。原因としてアレルギー性疾患が疑われる場合は、食事変更(除去食試験)やアレルギー検査を行います。
● 治療
急性期は内服薬または点耳薬を使用します。原因疾患が存在する場合はそちらの治療も行います。アレルギー性疾患である場合は、定期的な点耳薬の投与等のプロアクティブ療法を行います。
ノミアレルギー性皮膚炎
● ノミアレルギー性皮膚炎とは
ノミアレルギー性皮膚炎は,外部寄生虫であるノミの感染によるアレルギー性皮膚炎です。ネコノミとイヌノミの感染が原因となりますが、ほとんどはネコノミの感染によるものです。
● 症状
症状が出やすい部位は背中で、とくに腰背部~尾の付け根に皮膚炎、かさぶた、脱毛などの症状が現れやすいです。皮膚表面に散在する細かな黒色の糞や動き回るノミが見られることがあります。ノミ寄生が重度の場合は貧血などを起こす場合があります。
● 検査
体表のノミを確認します。
● 治療
ノミの駆虫を行います。