猫のフィラリア(犬糸状虫)症

フィラリア症とは

 猫はフィラリア感染に抵抗性があるため感染率は低いですが、犬とは異なり犬糸状虫が成虫に成長する前に「犬糸状虫随伴呼吸器疾患」という病態を発症することがあります。病態は複雑で、無症状から呼吸器症状、消化器症状、循環器症状など様々です。また、成虫死滅時に突然死を引き起こすこともあります。

 猫での診断と治療が難しいことから、予防薬投与による感染予防が非常に重要です。

混合ワクチンについて

  ・3種ワクチン

  ・猫汎白血球減少症
  ・猫カリシウイルス感染症
  ・猫ウイルス性鼻気管炎


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猫汎白血球減少症

どんな病気

 猫汎白血球減少症は、母猫からの抗体が消失する3~5カ月齢の子猫に多い病気です。成猫では感染しても無症状のことが多いです。免疫のない子猫では、急性の経過をたどり、発熱、腹痛、元気消失、食欲不振、その後、嘔吐と下痢が起こります。通常、5~7日間の経過で体温が低下し、亡くなってしまう病気です。幼若齢猫での致死率は、75%~90%ともいわれています。

原因ウイルス

・パルボウイルス

感染経路

・嘔吐物、便、尿からの経口感染
・汚染器物による間接接触からの感染

猫カリシウイルス感染症

どんな病気

 猫カリシウイルス感染症は、急性の呼吸器病で、潰瘍形成、肺炎、運動器機能障害、全身の出血性の病気など様々な病態を起こします。共通してみられる症状は、軽度の呼吸症状、口腔内潰瘍、鼻汁、流涙、目ヤニ、微熱などです。歩き方の異常(跛行)がみられることもあります。一部の猫は、慢性の呼吸器病がしばらく続きます。

原因ウイルス

・猫カリシウイルス

感染経路

・くしゃみ、鼻汁などの呼吸器分泌物に直接接触する経鼻、経口、経粘膜感染。
・換気不十分の場合の空気感染。
・食器、トイレ、寝床、人の手、服を介した間接接触。

猫ウイルス性鼻気管炎

どんな病気

 猫の上部気道感染症のうち、猫ヘルペスウイルス単独感染の場合を猫ウイルス性鼻気管炎と呼ばれてきました。症状は食欲不振、発熱、くしゃみ、鼻汁、流涙、目ヤニ、結膜炎、流涎、咳、潰傷性角膜炎などです。2~3週間で回復することが多いですが、一部の猫では鼻汁や目の症状がしばらく続きます。

原因ウイルス

・猫アルファヘルペスウイルス1

感染経路

・くしゃみ、鼻汁などの呼吸器分泌物に直接接触する経鼻、経口、経粘膜感染。
・食器、トイレ、寝床を介した間接接触。

ワクチンの副反応について

代表的な症状

・元気・食欲の低下
・注射部位の疼痛
・皮膚の痒み
・皮膚の腫れ(多くは顔面)
・呼吸困難
・嘔吐、下痢などの消化器症状
・急激な血圧低下による虚脱

接種後に注意していただきたいこと

・副反応を100%予防することは出来ません。
・接種後30分程度は院内にて様子を見て下さい。
・接種後1週間程度は、過度な運動、シャンプー等は避けて体調の変化にご注意ください。
・接種後、体調の変化があれば早急にご来院またはご相談下さい。

接種にあたり注意していただきたいこと

・体調の良い日に接種を行ってください。
・おおむね1週間以内に体調に変化があった場合は、接種前にご相談下さい。
・治療中の病気が有る場合は、接種前にご相談下さい。
・ワクチン接種等でアレルギーの既往歴がある場合は、接種前にご相談下さい。
・可能な限り、午前中に接種することをお勧めします。

ノミ感染症

ノミとは

 ノミは、刺咬による直接的な痒みだけでなく、刺咬時に注入されるノミの唾液成分によるアレルギー性皮膚炎が起こることがあります。また多数の寄生が長期間続いた場合は、貧血を起こすことがありあます。また、人への感染症の媒介者になる可能性もあります。屋外に外出する機会がある場合は、ダニとともにノミの感染予防を行うことを推奨します。

感染経路

・ノミ汚染環境への立ち入り。
・ノミ感染動物との接触。

予防、駆虫

マダニ寄生

マダニとは

 マダニはダニの中でも比較的大型な吸血性の節足動物です。マダニは刺咬による皮膚の発赤や痒みだけでなく、刺咬時に注入される唾液成分に細菌やウイルスが含まれていることがあり、様々な感染症につながります。媒介される感染症は、猫や犬だけでなく、人が感染(SFTSなど)する場合もあります。屋外に外出する機会がある場合は、ノミとともにマダニの感染予防を行うことを推奨します。

マダニがかかわる猫の病気

・SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
・ヘモプラズマ感染症

マダニがかかわる人の病気

・SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
・日本紅斑熱
・ライム病

感染経路

・ダニ汚染環境(公園、山などの草むら)への立ち入り。
・人が持ち込む場合もある。

予防、駆虫

・皮膚に滴下するスポット剤やスプレー剤を使用します。

シラミ感染症

シラミとは

 ネコハジラミは翅のない昆虫の仲間で、皮膚の上に寄生しますが、剥がれた表皮片や皮脂を摂取するのだけで、皮膚に潜り込んだり刺咬することありません。しかし、毛づやが悪くなったり、感染程度によっては皮膚炎を引き起こすことがあります。体長が1mm以上あるため目に付きやすいです。

感染経路

・感染動物との接触。
・毛についた卵からの感染。

予防、駆虫

・皮膚に滴下するスポット剤を使用します。

疥癬

疥癬とは

 猫の疥癬は、犬の疥癬の原因となるセンコウヒゼンダニの半分強程度の大きさのネコショウセンコウヒゼニです。ダニが皮膚に潜り込んで起こす皮膚炎で、非常に強い痒みを引き起こします。猫は患部皮膚を強く掻いて自傷し、また皮膚に二次感染を起こすことがあります。人に一過性に感染して皮膚炎を起こすこともあります。

感染経路

・感染動物との接触。
・感染動物のダニを含んだ皮膚の角質からの感染。(角質と 共に落ちたダニは、日陰の湿った土では数時間から数日間感染力をもつ可能性がある)

予防、駆虫

・皮膚に滴下するスポット剤を使用します。